750年ほど昔、お寺からほど近い片瀬龍ノ口で大難を小難に転じた日蓮聖人の奇瑞「龍口法難」を讃えるため、1302年に海街腰越に創建されました。以来「龍ノ口輪番八ヶ寺」として歴史を伝えてきた日蓮宗のお寺です。今でこそ山号を「龍口山」と号しているものの、創建時は「與蓮山(蓮を与えるお寺)」と名乗っていたと伝わり、奇しくも現在は多くの蓮が咲き、花のお寺として親しまれるお寺です。
ブッダの言葉に「こころをこめて 葺かれたる 屋舎に 雨ふるとも 漏れやぶることなし かくのごとく よくととのえし心は 貪欲も破るすべなし」とあります。厄介な雨自体をなくすことを思うのではなく、雨が降っても安心な屋根を葺くように、どんな時でも迷わぬよう自分自身を整えなさいとの教えです。「生きづらい時代」と呼ばれる今の世の中には、不都合が溢れるようでいて、実のところ、私たちの心のありようがその不都合を大きく見させ、自分で「生きづらい時代」を創っているように思うのです。特にこのコロナ禍がはじまってからの人の心の動揺や不安は異常なほどです。心が乱れれば、当然の如く、呼吸が乱れ、その影響は体にも顕れます。日常から離れて薫香が微かに漂うお堂で仏さまの教えに触れながら、自身の心と体を整える時間が提供できることはうれしく思い、何より、毎回ヨガ講座が終わるとみんながイキイキとした表情でお寺を後にされることはお寺としてこの上ない喜びです。これからもこのお寺からイキイキとした笑顔が溢れ、心と体の健康が育まれることを願っております。
鎌倉腰越にある本龍寺さまは、海まで5分。江ノ電が腰越~江ノ島まで車と一緒に道路を通って行く風景と波の音は、何だか映画を観ているようで、テラヨガへ向かう途中からワクワクしてきます。先日はお賽銭箱の前で挨拶した方がそのままテラヨガにご参加!ご近所の方はもちろん、東京や横浜からも毎回楽しみに通ってくださる方が増えました。赤い毛氈が美しい本堂での、御祈祷から始まるヨガクラスです。その空間で、背筋を伸ばし手を合わせる。お香や塗香の香り、響き渡る声とけいすの音がとても心地よく、副住職さまのお人柄から感じる空間の心地よさがあるからこそ、より一層、仏教と古典ヨガの教えがご参加された方の内側と外側の痛みや不調を軽くしてくれると感じています。土地柄、サーファーの方のご参加も多く、20代~70代の幅広い年齢層の皆さんと、いつも笑いながら練習しています。昨年4月からテラヨガの企画にいち早く賛同してくださり、地域の方を元気にしたいという思いは同じ!本龍寺さまでは、境内に咲く蓮の花が見ごろの時期もとても楽しみです。帰り道の足どりが軽く笑顔になる「テラヨガ」に是非、足を運んでみて下さい。皆さんの地域にもありますよ。
▲担当講師のMAYU